市場カフェには本棚がある!「首都感染」

市場カフェには本棚があります。マスターが好きな本・読んだ本が並んでいます

3/23(月)市場カフェにおいてある本をご紹介

最近の話題って、新型コロナウイルス感染症一色ですよね。

実は…

最近読んだ本の中で一番夢中にさせられたのが「首都感染」って小説。

新型インフルエンザが世界中に蔓延してたくさんの人が亡くなってしまうって話だったんです。

2013年に初版が発行された少し前の本みたいなんですけど…ときわ書房本店で平置きで積んであったのでついつい買ってしまいました。(このあたり、ときわ書房さんって本の薦め方が上手で好きなんですよね)

設定は…

症状の軽い豚インフルエンザが流行したけど、日本国内では「流行を最小限度にとどめられてよかったね」って安心していた矢先に、強毒性だけど通常はトリ×トリ感染しかしない「鳥インフルエンザ」が、ヒト×ヒト感染するように変異し中国でその発症が確認されたところから始まります。

中国ではサッカーワールドカップを北京で開催中。世界中から何十万人という人がサッカー観戦と応援に集まっているという設定。ここで北京から多くの人がお土産に致死率60%を超える超凶悪な「新型インフルエンザ」を持ち帰ってしまい世界中に広がっていくというもの。

しあKし、日本国内では…元WHO感染症対策本部にいた医師が国と一緒になって水際の感染症予防に努めてくれているため感染症の封じ込めがある程度成功するんです。

感染が世界的に広がる中…空港を封鎖し、首都・東京も封鎖されます。

人と物の行きかいが突然止まる事で経済への影響はどうなるのか、そのときにどんな問題が出てくるのか?そんなところが手に汗握る感じに描かれています。

ちょうど、日本国内で起きている「新型コロナウイス感染症」でも「38か国のビザ発給を中止する」とか新聞記事になっていたタイミング。

「新型コロナウイルス」は致死率がそんなに高くないようなので、「大げさなぁ~」とか見ていられますが、この「首都感染」を読んでいると、空港での対策とか、首都圏の封鎖の話とか実際に起きている対策と対比しても方法がリアルで…

もしかして、実際に国が感染症対策でマニュアルか何かを作ってあって、これを参考資料にして書かれているんじゃないかってくらいに同じ動きをするんです。今の日本…

ちょっと、怖くなるくらいにリアルな話ですが、作家の高嶋哲夫さんって、「M8」(2004年)とか「TSUNAMI」(2005年)とか、書かれている作家さんなんですよね。

両方とも読みましたが、設定とか、裏側にある政治的な背景とか…リアルに想像できる感じに描かれていて読んでいていつも怖くなるんです。今回の「首都感染」も2013年の作品…

大地震とか大津波とか、台風とか…

僕たちはいつか来るかもしれないその日に備えて会社の準備やお店の準備、人と人とのつながりや家族の関係、色んな対策をしておかないといけないんだよなぁと真剣に考えさせられます。

 

さて、「市場カフェ図書」ですが、コーヒーと本と、編集の仕事というのは相性がいいことからカフェに本棚を設置するようにしましたが、無料にて貸し出しも行っております。

本を借りときは、「貸し出しノート」に必要事項を記入して本を持ち出すようにしてください。返却期限についてはそんなにうるさく言わないですが、読んでいて「面白いな」と思ったら、作家さんの本を新品・定価で買ってあげてくださいね。

作家さんの収入は印税収入が大きいはずなので、作家さんに還元する意味でも面白い本は買ってあげるのが、次の面白い本を読むための一番いい方法だと思うんです。